遠くの部屋の音が真上から聞こえる?マンション騒音の謎

マンションでは不思議な音の伝わり方がすることが報告されています。
たとえば、「上から音がなったのに上に住む住人が騒音主ではなかった」というようなことがよくあります。
また、騒音の苦情を言われた側からしても困ったものですよね。出した覚えのない騒音について下の住人から苦情を言われ続け、ノイローゼになった人もいます。
一体なぜ、このような音の伝わり方がするのでしょうか?
その原理についてはこちらの記事で紹介していますが、ここでは実際に報告された、マンション騒音の複雑な伝わり方の事例をいくつか紹介しましょう。
目次
斜め上の住居の音が真上から聞こえた事例
事例1:子供の走り回る音が斜め下の部屋に響く
マンションの4階に住むある主婦のところに、下の住人から苦情がきました。
昼間の「子供の走り回る足音がうるさい」から、なんとかしてほしいとの内容でした。
でも、彼女にはまったく身に覚えがありません。子供は毎日外に出して夕方まで遊ばせているということです。
よく調べてみると、騒音を出していたのはその主婦ではなく、隣の部屋でした。つまり、苦情を言った人から見て斜め上の住居からの騒音だったのです。
その家では自由に子供たちを暴れさせており、その音や衝撃が驚くほど響いていたそうで、斜め下の住居にまで音が及んでいたということです。
事例2:真上から聞こえた子供達の足音が斜め上の住人だった
上階の騒音に悩む、マンションの1階に住む主婦の体験談です。
毎日のように続く、運動会のような子供達が走り回る音。
その音は日中だけではなく夜まで続き、就寝時間の22時を回っても収まらないということでした。
日中だけならまだしも、深夜にも及ぶ子供達の騒音にたまりかねて注意しに行くことに。その前にその部屋に灯りがついているかを確認しに行きました。
ところが、その真上の部屋には灯りがついていなかったのです。外出中か、すでに就寝中なのかというくらい、暗くて静まり返っていたのです。
結局、その日は苦情を言いにいくのをやめました。後日同じマンションに住む他の住人に聞いたところ、その真上の部屋に住んでいるのは子供がいない家庭とのこと。
結局つきつめてみると、真上ではなく斜め上の住居が騒音主だったそうです。
事例3:テレビやステレオの音が骨組みを伝って斜め下の住居に響く
マンションの隣の住人から直接苦情がきた人の話です。
騒音の内容は「テレビやステレオの音がうるさい」とのことでした。
でもその音がしたとされる時間帯は留守にしていたそうです。毎日出勤している時間帯なので、音がするわけがありません。もちろんテレビをつけっぱなしで外出しているわけでもありません。
おかしいと思って調べた結果、苦情を言われた彼の上の階が原因でした。
つまり、騒音の被害を受けた人の部屋から斜め上の住居だったのです。斜め上の住居のテレビやステレオの音が、マンションの骨組みを伝って壁を振動させ、まるで隣の住居から音が鳴っているかのように感じたというわけです。
下の住居の音が真上から聞こえた事例
騒音主が真上の住居だと思っていたら実は斜め上だったという話はよくありますが、斜め上だけではなく、もっと意外な場所からだったという事例があります。
なんと、下からの音が上から聞こえるという事例もたくさん報告されています。そのうちの一つを紹介します。
マンションの5階に住む人の真上からピアノの音が響きました。上から音がするので、どう考えても6階の真上の住人がピアノを弾いているんだと思ったそうですが、上の人に聞くとピアノを弾いていないとのこと。
実際はピアノを弾いていたのは2階下の隣の部屋だったそうです。3階の住居のピアノの音が、5階の隣にずれた部屋にまで到達していたのです。
しかも、5階の住居の床ではなく天井を振動させていたのです。これでは、上からの音だと思ってしまいますよね。
まとめ
以上の事例のように、マンションでは予期せぬ場所からの騒音が上から聞こえるということがよくあります。
その構造上、マンションではこのような複雑な音の伝わり方をしてしまうようです。
騒音の伝わり方の特性を把握しておくことで、住人間の無駄なトラブルを回避することもできるでしょう。早とちりして苦情を叩きつける前に、別の人が出しているかもしれないということを考慮してみましょう。