管理会社に責任はないの?騒音の対策に腰が重い理由とは
マンションに住む人たちの快適な生活を守るべき立場にある、管理会社。
騒音問題で悩んでいる住人から相談されたなら、解決しなければいけません。
ところがマンションの管理会社によっては、騒音問題について相談しても取り合ってくれない場合があります。
「管理会社には騒音問題を解決する責任があるはずなのに、なんで?」
「どこの管理会社もこんな感じなの?」
ここでは、管理会社が騒音問題に対応してくれない理由について説明します。
目次
管理会社が積極的に騒音問題に取り組んでくれない理由とは
騒音のことで相談しても、管理会社によっては積極的に動いてくれないことがあります。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
責任を負うべき騒音の範囲が曖昧なため
たしかに管理会社には騒音問題を解決する責任があります。ですが、すべての騒音に対して責任を負う必要があるわけではありません。
「責任を負うべき騒音」の範囲があるのですが、その範囲が曖昧なため、うやむやにされることが多いのです。
では、管理会社が「責任を負うべき騒音」とは、どのような騒音なのでしょうか?
それは、「受忍限度」を超える騒音です。
受忍限度とは
「受忍」とは、我慢や受け入れるという意味です。つまり、受忍限度とは「集合住宅で生活する以上、生活による音は出るんだからこれぐらいは我慢しなさいよ」と定めた騒音の限度のことです。
この「受忍限度」を超える騒音が発生した場合、管理会社は責任を持って対処しなければいけないのです。
問題は、この「受忍限度」というものの定義が明確ではないことです。
(詳細 リンク)
「受忍限度を超える音」の範囲が曖昧
受忍限度というものが「ここまでの大きさの音のことを指します!」とビシッと明確に線引きできるのならわかりやすくて良いのですが、実際はそうではありません。
なので、どの騒音までが受忍限度に収まっているのかの判断が難しいので、結果的に管理会社が責任を持って対応するべき騒音の範囲である「受忍限度を超える音」の範囲も曖昧になってしまうわけです。
そのような理由により、「管理会社が絶対に騒音問題に対応しなければいけない」というわけではないため、住民から相談や依頼を受けてもうやむやにしたり先延ばしにしたりする傾向があるのです。
住民間のトラブルに巻き込まれたくないから
管理会社が積極的に騒音問題に取り組んでくれないもう一つの理由が「住民間のトラブルに巻き込まれたくない」という思惑があるためです。
「騒音の問題くらい、できるなら当事者同士で解決してほしい。」
「いちいち対応していたらキリがない。」
という本音を持っている管理会社が多いのが現実です。
たしかに、マンションやアパートに住んでいる以上、多少の生活音が発生するのは当然であり、お互いに受け入れあって生活していくものです。
まったく音が響かないような構造のマンションを作ることはできませんし、多少の騒音を受け入れることを前提としてマンションに住むべきでしょう。
そのような意味では、管理会社の言うように「多少は我慢してください」「当事者同士で話し合ってください」という言い分は理解できますし、間違っていないでしょう。
ですが実際には、ほんの少しの音でも取り立てて苦情を言うような神経質な住人も存在します。
そう考えると、「いちいち皆の声を拾っていられない」という管理会社の気持ちもわかります。
面倒なトラブルに巻き込まれるぐらいなら、うまくかわしてはぐらかそうとするでしょう。
さらに、前項で述べたように管理会社が責任を持って対応するべき騒音の定義が曖昧なことも手伝って、その傾向が強くなっているようです。
管理会社の騒音問題への対応は様々
以上のような理由で、管理会社は騒音対策を依頼されても積極的に動いてくれないというわけです。
ですが、もちろん全ての管理会社がそうというわけではありません。すぐに対策をおこなってくれるところもありますし、担当者によって対応が変わることもあります。
住民思いの管理会社や担当者なら、受忍限度に収まっている小さな騒音に対する相談にも対応してくれるでしょう。
また、管理会社によってはその物件の担当についたばかりで、まだ物件や住民、周辺環境の状況などをよく把握していない段階であるという事情により、動こうにも動けないだけかも知れません。
まともな管理会社なら、そのような事情もきちんと説明してくれるはずです。
まとめ
- 管理会社が責任を取るべき騒音は「受忍限度を超える音」
- 「受忍限度」自体の定義が曖昧で難しい
- 管理会社としても面倒なことに巻き込まれたくない
- 騒音問題への対応は管理会社によって様々
以上のように、管理会社と騒音問題の関係は曖昧で複雑です。
音の感じ方や許容量は人によって違うため、ハッキリとした明確な答えというものがないのです。
でも、だからこそ、管理会社にはケースに沿った丁寧な対応をして欲しいと思うのが住民側の率直な思いですよね。
誠意のある対応をしてくれなかった管理会社を動かす方法を、こちらのページで紹介しています。