足音ってそんなに響くの?マンション騒音と足音の関係とは
下の階の住人から「足音がうるさい」との苦情。
申し訳ないと思い、足音を立てないように気をつけてそーっと歩くことに。それでもまだ苦情を言われる。
「足音って、本当にそんなに響くもの?」
「他の住居や他のマンションでもそう?」
「神経質すぎるだけじゃないの?」
どれだけ気をつけても苦情が続くようであれば、これ以上対策のしようがありませんよね。
ここでは、マンションでの足音がどのような響き方をするのかについてまとめてみました。
他の騒音に比べ、足音は調節するのが難しい
足音は他の生活音に比べ、その音量を調節することは困難です。
例えばテレビやステレオの音が大きいといった苦情を受けた場合は、ボリュームを調節することで加減をすることができますよね。
ですが、足音の場合はそうはいきません。歩き方の癖や体型によって大きな足音が発生する場合は簡単に治すことができませんし、子供の足音が原因の場合もなかなか言い聞かせることもできません。
また、静かに歩くように気を使うことはできても限界がありますし、防音マットを敷くにしても性能は様々であり、防音効果が期待できないものもあります。
足音は他の住居にダイレクトに響く
足音は他の生活音に比べて他の住居にダイレクトに響きやすく、音も大きくなりやすいです。
その理由はマンションの床の構造にあります。
マンションの床の構造
マンションの床には配管を通すための空洞がありますが、
この空洞によって足音が響きやすくなっているのです。
太鼓が大きな音がなるのは、内部が空洞になっているからです。それと同じように、床が空洞になっていることで音が内部で回って反響するわけです。
そして、床下の空洞で太鼓のように増幅された音は、下の住居の天井に響きます。
そのような原理で、小さな足音でも下の住民には大きな音として伝わっている可能性があるのです。
生活音は床に集まりやすい
床が空洞になっているということは、音を増幅させるだけでなく、様々な音を集めやすいということにもなります。
音というのは空気や物質を媒介して伝わっていきますが、マンションで起きた音はその骨格を伝っていきます。そして空洞である床に音が集まり、響くのです。
たとえば壁を叩いた音であったとしても、空洞である床に音が伝わってそこで反響し、下の住民からは床を叩いている音のように聞こえるわけです。
壁の音でも床に響くのですから、足音がどれだけ床に響くのかは簡単に想像できるでしょう。
そのような理由で、足音は思った以上に他の住居に影響を与えている可能性があるのです。
音が真下に響くとは限らない
前項で述べた通り、マンションの音の伝わり方は複雑であるため、予想外の場所に音が伝わることがあります。
たとえば、足音が隣の住居の床に伝達してそこで反響されるということも起きます。
その結果、足音が斜め下の住居に騒音として伝わってしまうのです。
マンション騒音でのこのような事例は頻繁に見られます。詳細はこちらのページをご覧ください。
まとめ
まず、足音は思っているよりも他の住居によく響くということを理解しておきましょう。
その上で、あまりにも理不尽な身に覚えのない苦情を下の住人から受け続ける場合は、他の住居からの騒音である可能性も伝えてみると良いでしょう。
また、逆の立場で上から聞こえる足音の騒音が収まらなくて困っている人も、このようなマンションの音の伝わり方の特性を理解し、別の住居から足音が発生しているかもしれないということを考慮してください。